絵本に出てくる料理の本
色とりどりの絵で描かれた絵本に出てくる、おいしそうな料理やお菓子は、見ているだけでも幸せな気持ちにしてくれますよね。
『ぐりとぐら』のカステラや、『バムとケロのにちようび』のドーナツなど、子どもの頃に一度は食べてみたいと夢見ていた方も多いのではないでしょうか?
私も小さい頃、『しばわんこの和のこころ2』に出てくるアジサイの和菓子を作ろうとして、奮闘した思い出があります!
見ている分にはワクワクするようなお菓子も、いざ作ってみるとなると、慣れない材料や手順が多くて、やる気を失ってしまうこともありますよね・・・。
この記事では、絵本に出てくる料理の作り方をまとめた、絵本のレシピ本の中から、おすすめのものを8冊ご紹介していきます!
子どもも作れるような簡単なレシピのものから、お菓子作りに慣れた上級者向けの本まで扱っていくので、気になるレシピがあったら、ぜひ作ってみてくださいね。
複数の絵本のレシピをまとめた本
まずは、様々な絵本や児童文学に登場するレシピをまとめた本からご紹介していきます。
1冊で複数の絵本のレシピを見ることができるので、カタログのようで見ているとワクワクしてきますよ!
おいしい絵本レシピ
最初にご紹介するのは、福音館書店の『おいしい絵本レシピ』(2022年9月初版)です。
月刊誌の『母の友』で連載されていた「野口真紀のおいしい絵本レシピ」から厳選されたレシピが41品載っています。
『おいしい絵本レシピ』に載っているレシピは、福音館書店が出版している絵本に限られています。(他社出版の絵本のレシピは含まれていません。)
福音館書店の公式サイトでは、9ページまで試し読みもできるので、目次を見ながら、好きな作品があるかどうか調べてみると良いでしょう。
以下はレシピの一部抜粋になります。
絵本のタイトル | レシピ名 |
『サラダでげんき』 | かつお節をかけたサラダ |
『ふしぎなたけのこ』 | たけのこごはん&酢豚 |
『トマトさん』 | 丸ごとトマトのサラダ |
『おべんとう』 | のっけぺん |
『おおきな おおきな おいも』 | さつまいもとベーコンの蒸し焼き |
『おおきなかぶ』 | 生ハムとかぶのサラダ |
『きつねのよめいり』 | 鶏のおかゆ |
『3びきのくま』 | かぼちゃのスープ&ボルシチ |
『さむがりやのサンタ』 | 丸鶏のしょうゆグリル |
『まどのむこうの くだもの なあに?』 | 旬の果物 フルーツポンチ |
『ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん』 | ブルーベリージャム |
『ボートやのくまさん』 | アップルパイ |
お菓子だけでなく、お料理もバランス良くレシピに加わっているのがポイントですね。
私は『ゆうこのキャベツぼうし』が大好きなので、ロールキャベツがとても気になっています!でも、手が込んでいたら、なかなか真似できないかも・・・。
福音館書店の公式サイトでは、『おいしい絵本レシピ』には掲載されていないレシピや、料理研究家の野口真紀さんのインタビュー記事も見ることができますよ。
絵本のお菓子
次にご紹介するのは、マイルスタッフの『絵本のお菓子』です。
赤い表紙とタルトの写真が目を引くので、書店で手に取ったことがある方もいるのではないでしょうか?
収録されているレシピの数は80品に上り、ほかのレシピ本と比べてみても、分厚く読み応えのある本になっています。
絵本に出てくるレシピだけでなく、絵本の世界観をイメージした創作料理のレシピも載っていて、そのどれもが非常に美しいです!
こんなきれいなお料理を出されたら、もったいなくて食べれない~。
ただし、内容は上級者向けで、家にある材料でパパっと簡単に作れるようなレシピはほぼありません。
かき氷シロップやフランボワーズパウダー、エディブルフラワーなど、特殊な材料が多く使われています。一般の家庭では、中々さっと出せるような材料ではないですよね。
そして、出来上がりの写真は魅力的なのですが、レシピ通りに作っても同じになる気がしない・・・。
例えば、『あめのもりのおくりもの』をイメージした「虹色のゼリー」のレシピは、かき氷シロップを3色を使って、虹色を表現するようです。
しかし、あの透き通ったグラデーションを素人が作るのは至難の業だと思います・・・。
お菓子作りに慣れている、凝ったレシピをじっくり作ってみたいという方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
パーティーで出したら、あっと驚かれることは間違いありませんね。
絵本の中の幸せスープレシピ
辰巳出版の『絵本の中の幸せスープレシピ』(2009年)は、絵本に出てくるスープに特化したレシピ本です。
絵本に実際に出てくるスープを再現するのではなく、絵本からインスピレーションを受けたオリジナルのスープレシピが35品載っています。
表紙の赤いスープは、『星の王子さま』をイメージしたもので、星形のパプリカと惑星に見立てたお麩が、物語の世界を表現しています。
チキンブイヨンや塩コショウで味付けするシンプルなスープが多いので、簡単に作れそうなのが魅力的ですね。
絵本のタイトル | レシピ名 |
『ぐりとぐらとすみれちゃん』 | 「にんじんといんげんと卵のスープ」 |
『リサ ニューヨークへいく』 | 「マンハッタン クラムチャウダー」 |
『スノーマン』 | 「メレンゲと赤ピーマンのスープ」 |
『やかまし村のクリスマス』 | 「クリスマスポトフ」 |
『フラニーとメラニー もりのスープやさん』 | 「野菜たっぷりあったかスープ」 |
『だるまちゃんとてんぐちゃん』 | 「鯛アラの味噌汁」 |
『おしゃべりなたまごやき』 | 「オムライス・ブラウンスープ」 |
上記の表はレシピのほんの一部で、絵本以外にもムーミンや『ハイジ』などの小説のレシピも掲載されています。
材料もスーパーで揃うものばかりで、難易度が低く失敗しないのがスープの良いところですね!
具材を切って煮込むだけなので、子どもも安心して作ることができますよ。
夢の名作レシピ
日本図書センターが発行する『夢の名作レシピ』(2014~2015年)は、大人というよりも子ども向けのレシピ本となっています。
料理に不慣れな子どもから大人まで、気軽に作れる料理やお菓子のレシピが載っているので、親子で挑戦してみるのも楽しいでしょう。
『夢の名作レシピ』は、シリーズが3冊出ており、1巻はマンガ、2巻は絵本、3巻はアニメに出てくるお菓子とごはんが掲載されています。
おしゃれなレシピよりも、日常で食卓に並ぶようなレシピが多く、『おばけのてんぷら』のてんぷらやハンバーグなど、定番のごはんも載っているんです。
写真の雰囲気やレシピによっては、家庭科の授業が懐かしくなるようなものもありましたね。
「凝ったお料理を作るのは大変」、「子どもと一緒に作れるレシピが欲しい」という方にお勧めです!
絵本からうまれたおいしいレシピ
宝島社の『絵本からうまれたおいしいレシピ』(2005年)は、2006年にはシリーズ3作目、2009年にはセレクション版(2009年)も出ている、人気のあるレシピ本のシリーズです!
私もシリーズ1~3の内容を抜粋した『絵本からうまれたおいしいレシピ SELECTION』を持っています。
現在はオンラインショップでは軒並み品切れで、メルカリなどでしか流通していませんね。
シリーズ1作目から3作目は古いこともあり、現在出回っているのは中古品がほとんどです。
そのため、お目当てのレシピが特にないのであれば、一番新しい『だいすき!絵本からうまれたおいしいレシピ』(2014年)を手に取ってみることをお勧めします!
『だいすき!絵本からうまれたおいしいレシピ』は、シリーズ3作に加えて、『絵本からうまれたおいしいレシピ 子どもと一緒にごはんづくり』(2006年)からも、厳選されたレシピが掲載されています。
以下の表は、掲載レシピの一部です。宝島社の公式サイトでは、試し読み(目次含む)もできますよ。
絵本のタイトル | レシピ名 |
『はらぺこあおむし』 | 「チョコレートケーキ」含む3品 |
『バムとケロのにちようび』 | 「ドーナツ」 |
『ちびくろ・さんぼ』 | 「ちびくろ・さんぼのホットケーキ」 |
『うさこちゃんのおじいちゃんとおばあちゃん』 | 「キャラメルクッキー」 |
『長くつ下のピッピ』 | 「ジンジャークッキー」 |
『おさるのジョージ チョコレートこうじょうへいく』 | 「とろーりバナナチョコレート」 |
『ライオンと魔女』 | 「魔法のプリン」 |
『からすのパンやさん』 | 「からすのパンやさんの動物パン」 |
『くまのがっこう ジャッキーのちいさなおはなし』 | 「つやつやベーグル」 |
『14ひきのかぼちゃ』 | 「かぼちゃパイ」含む3品 |
名作絵本のレシピが目白押しで、絵本以外にもムーミンや『赤毛のアン』、ハリーポッターなどの児童文学作品のレシピも含まれています。
材料のほとんどはスーパーの製菓コーナーで揃えられるもので、手順も中級くらいのため、作るのはそんなに難しくないでしょう。(レシピによっては一部難しそうなものもありました。)
焼き菓子やパンのレシピが多く含まれているので、オーブンを使った料理に慣れておくと、サクッと作ることができますよ。
見て楽しむアイシングクッキー 絵本のようなお菓子
最後にご紹介するのは、白泉社の『見て楽しむアイシングクッキー 絵本のようなお菓子』(2021年)です。
こちらは、絵本に出てくる料理を再現するのではなく、絵本のキャラクターやシーンを、アイシングクッキーで表現するレシピ本です。
表紙のヒグチユウコさんのニャンコを描いた、精巧なクッキーには、思わず目を奪われてしまいますね。
『見て楽しむアイシングクッキー 絵本のようなお菓子』の巻末には、一応見開き2ページにわたって、アイシングクッキーの作り方が説明されています。
しかし、内容はかなり上級者向けなので、あの説明を読んでレシピ本と同じようなクッキーを作るのは、相当難しいでしょう。
私もアイシングクッキーを作ったことがあります。絵を描くのは得意なのですが、アイシングの固さが上手く調節できず、思い描いたようには中々作れませんでした・・・。
すでに一度はアイシングクッキーを作ったことがある、手先の器用さには自信があるという方であれば、ささっとマネできるのかもしれませんね。
実際に作ってみることはできなくとも、お馴染みのキャラクターが描かれたアイシングクッキーの写真は、見ているだけでもウキウキしてきます。
ブルーナの「うさこちゃん」にレオ・レオニの「フレデリック」、『ねないこだれだ』の「おばけ」に『ぐるんぱのようちえん』の「ぐるんぱ」など、お菓子とは思えないクオリティで再現されていて、本をめくる手が止まりません!
作るというよりも見て楽しみたいという方は、本棚に飾っておくと、お洒落でとても映えますよ。
特定の絵本のレシピ
ここからは、色々な絵本のレシピをまとめたレシピ本ではなく、特定の絵本やキャラクターに特化したレシピ本をご紹介していきます!
ぐりとぐらのてづくりブック
まずご紹介するのは、『ぐりとぐらのてづくりブック』(2013年)です。
先にご紹介した、様々な絵本のレシピをまとめて掲載したレシピ本の中にも、『ぐりとぐら』のレシピはでてきます。
しかし、『ぐりとぐら』が目当てでレシピを再現するのであれば、是非『ぐりとぐらのてづくりブック』にも目を通してほしいなと思います。
カステラはもちろんのこと、私が心を奪われたのは『ぐりとぐらのおきゃくさま』に出てくる「クリスマスケーキ」のレシピでした。
クリームもクッキーも、絵本で見たものがそのまま実写化された写真に、目が釘付けに!誰か私に作って食べさせてほしい~。
細かいことですが、20年以上生クリームだと信じてきたクリームが、実はバタークリームであったことにはびっくりしました!
ケーキの側面に張り付けるビスケットのレシピまで載っていて、かなり本格的な仕上がりになっています。
『ぐりとぐらのてづくりブック』には、料理のレシピだけでなく、折り紙や人形などの工作のアイデアもあるので、ぐりとぐらファンなら楽しめること間違いなしです!
絵本のタイトル | レシピ名 |
『ぐりとぐら』 | 「カステラ」 |
『ぐりとぐらとくるりくら』 | 「にんじんキッシュ」、「はらっぱのサラダ」 |
『ぐりとぐらのおきゃくさま』 | 「おきゃくさまのクリスマスケーキ」 |
工作 | 「折り紙でつくるぐりとぐら」 |
「小さなぐりとぐら人形」 | |
「えほんのこばこ」 |
お休みの日にカステラを焼いて、焼きあがる時間に子どもと折り紙で『ぐりとぐら』を作るなんて、想像しただけでも楽しいですよね。
バムとケロのおいしい絵本
「バムとケロ」は、2024年にシリーズ1作目である『バムとケロのにちようび』を出版してから30年を迎える、言わずと知れた大人気のシリーズですね。
そんなバムとケロの世界のレシピを再現したのが、『バムとケロのおいしい絵本~絵本のなかのとっておきレシピ集~』(2015年)です。
『バムとケロのおいしい絵本』には、定番のドーナツから「バースデーパティメニュー」など、約14品のレシピが載っています。(以下の表は掲載レシピの一部です。)
絵本のタイトル | レシピ名 |
『バムとケロのにちようび』 | 「やまもりドーナツ」 |
『バムとケロのおかいもの』 | 「ケロちゃんのパンケーキ」 |
『バムとケロのさむいあさ』 | 「おおきなプリン」、「あひるクッキー」 |
『バムとケロのおかいもの』 | 「オムレツセット」 |
『バムとケロのそらのたび』 | 「グラタン」など |
『バムとケロのおいしい絵本』には、バム、ケロ、おじぎちゃんのステンシルプレートが付録でついています。
オムレツにケロちゃんの顔を描くときや、ホットココアのホイップクリームの上に、手軽にココアアートを作れるのが嬉しいですね!
レシピの難易度は初級~中級くらい、材料もスーパーで手に入るものばかりなので、休日に思い立ってさっと作るのに丁度よいクオリティになっています。
レシピ本の通りでなくても、ステンシルプレートを使ってキャラクターの顔を付ければ、普段のお料理もぐっと特別感が上がりますね!
まとめ
この記事では、絵本に出てくる料理のレシピ本を7冊ご紹介しました!
どれも読んでいるときはおいしそうで食べてみたくても、いざ作るとなると、中々難しそうなものが多いですよね。
今回ご紹介した中では、『絵本のお菓子』と『見て楽しむアイシングクッキー』は難易度が高く、観賞用になってしまいますが、それ以外は気軽に作れるものがほとんどですよ。
寒くなってくると、無性にオーブンを使った焼き菓子やスープが恋しくなってきますよね。
お気に入りの絵本を片手に、絵本に出てくるレシピを楽しむ贅沢な休日を送ってみてはいかがでしょうか?