『かばんうりのガラゴ』とは
『かばんうりのガラゴ』とは、バムとケロの絵本シリーズで有名な島田ゆかさんが手掛ける絵本のことです。
ガラゴというのは、アフリカに生息する霊長類の動物で、「ブッシュベイビー」の別名でも親しまれています。
小さな身体と大きな目と耳が特徴的ですね。瞳の色は暗めの茶褐色に見えますが、絵本ではビビッドな赤色で塗られています。
この記事では、ガラゴの絵本のあらすじと感想、バムとケロとの関係までまとめていくので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね!
「ガラゴ」の絵本は全2冊
島田ゆかさんのガラゴの絵本は、『かばんうりのガラゴ』と『うちにかえったガラゴ』の全2冊が発行されています。
ガラゴの絵本のサイズは225×237mmで、ほぼ正方形に近い形をしています。
バムとケロシリーズは横に長い長方形タイプなので、一緒に本棚に入れると、ちょっとおさまりが悪いですね・・・。
かばんうりのガラゴ
『かばんうりのガラゴ』は、1997年11月に文溪堂から出版されました。
ガラゴは「たびする かばんやさん」なので、お店を持たずにてくてくカバンを売りに行く姿が、表紙に描かれています。
あらすじと感想
かばんうりのガラゴのもとには、今日も一風変わったお客さんがやって来ます。
兄弟が欲しい子犬に、たてがみの薄いライオン、いつでもどこでもお茶を楽しみたい象など・・・。
難しい注文でも、ガラゴは商売道具のチェックのトランクケースから、ぴったりのカバンを出して次々とお客さんを満足させていきます!
あの小さなトランクケースに、どうやって収まっていたのか不思議なほど大きなカバンが出てくるんですよね。
ガラゴにカバンでお願いを叶えてもらえたお客さんたちは、思い思いの品を手渡し、物々交換のようなかたちでお買い物をしていきます。
前のお客さんがくれたお礼の品物が、次のお客さんの依頼に役立つ様子は、昔話のようで面白いですよ!
次はどんなお客さんが来るのか、一体どんなカバンが出てくるのか気になって、ページをめくる手が止まりません。
そして、文章を読まなくても話が伝わるほど綿密に描きこまれた絵にも、『かばんうりのガラゴ』の魅力が詰まっています!
「子犬にかまれたしっぽの先、いつの間にか絆創膏が貼ってある」、「休憩中のトランクケースは、しっかり長靴を脱ぐんだな」など、実際に絵本を手に取って、自分だけの発見を見つけてほしいです。
うちにかえったガラゴ
ガラゴシリーズの2作目『うちにかえったガラゴ』が発行されたのは、1作目から約5年がたった2002年6月です。
『うちにかえったガラゴ』では、歩いてカバンを売りに出ているガラゴが、寒い季節が近づいてきたので、家に帰る様子が見られます。
ガラゴはアフリカのあたたかい地域に住む生き物ですし、寒さはやっぱり苦手なんですね。
あらすじと感想
冷たい風が吹いてきたので、あたたかいセーターを着て家路を急ぐガラゴ。
無事にお家についたら、まずはあたたかいお風呂で旅の疲れを癒そうと、バスタブにお湯を張って準備を始めます。
ここで登場するガラゴのカバンの形をした浴槽が、本当に夢があって、一緒に入りたくなってしまいます!
石鹸も入れてウキウキと準備を進めるガラゴの耳に、トントンとドアをノックする音が聞こえてきます。
扉を開けると、雑貨屋の「とらちゃん」がほっぺたにおみやげをパンパンに詰めて立っていました。
「たびするざっかやの とらちゃん」、バムとケロシリーズを読んだことのある方なら、ピンとくるキャラクターなのではないでしょうか?
とらちゃんの相手をしていると、お風呂に戻る間もなく、次から次へとガラゴの家にやってくる動物たち。
楽しくお土産を見ている間に、どんどん時間は立って、予想通りお風呂は大変なことに・・・!
びしゃびしゃになったお風呂はどうなってしまうのか、結末が気になる方は、是非素敵な絵と一緒に、『うちにかえったガラゴ』を読んでみて下さい。
カラフルで遊び心のあるガラゴのおうちは必見です!よく見ると、見知ったキャラクターの面影が・・・。
「バムとケロ」シリーズとの関係
ガラゴの絵本シリーズが出版された時期は、丁度バムとケロの絵本シリーズが発行された時期と被っています。
バムとケロの3作目が出されてから、1作おきにバムとケロとガラゴのシリーズが刊行されているんですね。
絵本のタイトル | 発行年 | シリーズ |
『バムとケロのさむいあさ』 | 1996 | バムとケロ、3作目 |
『かばんうりのガラゴ』 | 1997 | ガラゴ、1作目 |
『バムとケロのおかいもの』 | 1999 | バムとケロ、4作目 |
『うちにかえったガラゴ』 | 2002 | ガラゴ、2作目 |
バムとケロ、ガラゴの双方のシリーズにおいて、お話の中で分かりやすく両者が絡むことは少ないです。(一緒に行動する、お互いについて言及するなど)
しかし、よくよく絵本を読んでみると、バムとケロとガラゴの世界が繋がっていることがよく分かります。
バムとケロについておさらいしたい方は、以下の記事を読んでみてくださいね。
どちらの作品にも登場するキャラクター
バムとケロシリーズと、ガラゴの絵本では、共通するキャラクターが何匹も登場します。
バムとケロの絵本の中でも、最も多くのキャラクターが登場するのが、シリーズ4作目の『バムとケロのおかいもの』でしょう。
バムとケロが出かけた市場には、様々な姿かたちの住人がひしめき合っています。
そして、市場で描かれている住人達は、『うちにかえったガラゴ』でもれなくガラゴの家を訪れているんですよね
『うちにかえったガラゴ』に 登場するキャラクター | 特徴 | 『バムとケロのおかいもの』 での登場シーン |
「たびするざっかやの とらちゃん」 | ハムスター | 市場にてオカリナなどの 雑貨を販売。 |
「とこやの ぷるどちゃん」 | グレーのリンゴ頭の ウサギ | 布地を販売するお店に、 お客さんとして来店。 |
「ぴーなつうりの らくちゃん」 | ピーナツの着ぐるみを 着ている | 通りを歩いてお買い物。 |
「こみみさん」 | 白いからだに 赤い帽子と緑のチョッキ | 金物を販売?しているもよう。 |
ざっと見ただけでも、こんなに多くのキャラクターが2つのシリーズに共通して描かれています。
気付いていないだけで、もっと多くのキャラクターがリンクしている可能性は大いにあります。
小さなキャラクター達
バムとケロの絵本を読んでいると、絵本の中で名前こそ明かされないものの、さり気なく何度も登場する小さなキャラクターに気が付きますよね。
よく目につくのは、3本の耳が生えた「おじぎちゃん」や黒いたれみみの白い犬「ヤメピ」でしょうか?
6/22(土)10時〜13時「バムとケロのなかまたちをさがそう!」緊急決定‼️
丸善池袋店の二階にバムとケロのなかまたち10キャラクターが隠れています。
全部さがせたらバムとケロのしおりセットをプレゼント!#バムとケロ #バムケロ #島田ゆか #文溪堂 #丸善池袋店 #まるごと1ヶ月バムとケロフェア pic.twitter.com/MtkMjrz3cZ— 文溪堂 図書出版部 (@bunkeitosyo) June 14, 2019
彼らは脇役でありながら、ガラゴシリーズの絵本でも、ちゃっかり姿を見せています。
小さな隠れキャラに名前があることを、『バムとケロのおいしい絵本』を読んで知りました。
ガラゴの家を訪れるバムとケロ
『うちにかえったガラゴ』では、店じまいをして家に帰ったガラゴのところに、友達がたくさん会いに来ます。
そして、最後にはバムとケロらしきキャラクターが、ガラゴの家のドアをノックする様子が描かれているんです!
後ろ姿しか描かれていませんが、ふたりの「防寒具」に市場へのお買い物で使っていた「ショッピングカート」、山盛りの「ドーナツ」を見ると、疑いようがありませんね。
バムとケロ、ガラゴに交流があることは、この絵を見れば一目瞭然ですね。叶うなら、この続きが読みたい・・・!
ここでご紹介した以外にも、バムとケロとガラゴの交流が読み取れる描写は、絵本のそこかしこ(写真など)に描かれています!
目を皿のようにしてヒントを探すのは、とても楽しいですよ。
ガラゴの絵本セット
ガラゴシリーズは全2巻で、主に「通常サイズ」(225×237mm)が展開されています。
公式のセット商品では、通常サイズの7冊セットと小型サイズの2冊セットの2種類のセットが主流です。
- バムとケロのなかまたち(既7巻セット)
- ガラゴの小型えほんボックス
では、ひとつずつ、見て行ってみましょう!
バムとケロのなかまたち(既7巻セット)
「バムとケロのなかまたち(既7巻セット)」は、通常サイズの絵本が7冊入ったセットになっています。
バムとケロシリーズ全5巻と、ガラゴシリーズ全2巻の合計7冊のセットとなっており、価格は11,110円(税込み)です。(2023年12月23日時点)
「島田ゆかさんの代表作を一気に揃えたい」という方にピッタリのセットになっています。
何より通常サイズなので、絵を隅々まで見られるのが良いですね!
「専用ボックスが欲しい」、「既に持っている絵本がある」というケースを除けば、こちらのセットが1番お勧めできます。
ガラゴの小型えほんボックス
「ガラゴの小型えほんボックス」には、ガラゴシリーズの小型絵本(142×132mm)が2冊入っています。
通常サイズが225×237mmであることを踏まえると、小型サイズは単行本くらいなので、結構小さいですね。
「ガラゴの小型えほんボックス」は、セット商品の中で唯一トランク型の「専用ボックス」と特典がついているのが魅力的です!
ガラゴが履いている長靴の「キーホルダー」に「持ち手のひも」まで入っているので、トランクを開けるときにワクワクしてしまいますね。
価格は3,080円(税込み)と、通常サイズの絵本2冊分と同じくらいです。
通常サイズに比べて読みづらいのが玉に傷ですが、持ち運びできるので通常サイズに加えて「お出かけ用」にしてみるのも良いでしょう。
ガラゴも旅するカバン屋さんなので、お子さんが絵本を入れて持ち歩くと盛り上がりそうですね!
その他のセット
上記の2つのセットの他に、文溪堂のオンラインショップ「ゆめたまご」では、ガラゴの通常サイズの2冊セットと、レシピ本を入れた8冊セットも販売されています。
- ガラゴ 絵本セット(2冊)
- 【8冊セット】バムとケロとガラゴシリーズ [通常版] フルセット
これらのセットは一緒に届くというだけ、で専用ケースや特典、割引は無いようです。
例えば、2冊セットの価格の2,860円(税込み、送料別)は、ガラゴの絵本1冊の値段である1,430円(税込み)を倍額にしたものなので、セット割りなどが適用されていないことが分かります。
8冊セットは、7冊目までは「バムとケロのなかまたち(既7巻セット)」と同じ内容です。
追加の1冊は『バムとケロのおいしい絵本』というレシピ本で、バムとケロの絵本に登場する料理の再現レシピが載っているほか、キャラクターのステンシルプレートも付属しています。
「バムとケロに関する本は、絵本だけでなく全部揃えたい」という方におすすめのセットですね。
まとめ
この記事では、ガラゴの絵本のあらすじと感想、バムとケロシリーズとの関係から、おすすめの絵本セットまでご紹介していきました。
「バムとケロの絵本が好き」という方なら、ガラゴの絵本は絶対に面白いと思っていただけるはずです!
2024年はバムとケロのシリーズ1作目である『バムとケロのにちようび』が出版されてから30年の節目の年になります。
2011年に『バムとケロのもりのこや』が出版されてから、長らくバムとケロ、ガラゴの新作は出版されていません。ファンとしては、時間がかかっても続編が出版されるのを楽しみに待ちたいところですね。