「バムとケロ」とは
「バムとケロ」とは、島田ゆかさんの絵本に登場するキャラクター、犬の「バム」とカエルの「ケロ」のことです。
じとっとした目が特徴的なバムは、「ブルテリア」というブルドッグとテリアの交配から生まれた犬種をモデルにしています。
ブルテリアは、日本ではあまり見かけませんよね。ピンと立った耳と、つるっとした身体がバムを彷彿させます。
「バムとケロ」の絵本シリーズは、1994年に1作目の『バムとケロのにちようび』が発行されてから、細部まで描きこまれた緻密な世界観と、ユニークな物語で多くの読者を魅了してきました!
この記事では、バムとケロシリーズの絵本のあらすじから新作の有無までご案内していきますので、是非最後までお付き合いください。
絵本のサイズについて
絵本作家島田ゆかさんの公式サイトにおいて、バムとケロシリーズの絵本は、「通常の絵本」と「小型絵本」、「大型絵本」の3つのサイズに分けられています。
通常サイズは278×215mmなので、絵本を閉じた状態だと、大体A4判(297×210mm)と同じくらいのサイズですね。
@ehonstokyo にバムとケロの楽しいコーナーが出来ました。
小型絵本、大型絵本、英語版、トランプ…バムとケロ関連書籍は全て揃っています。
島田ゆかさん直筆サイン入りの「バムとケロのもりのこや複製画」「うちにかえったガラゴ複製画」も数量限定で販売いたします。 pic.twitter.com/0F7dO8GYO4
— 文溪堂 図書出版部 (@bunkeitosyo) March 31, 2022
図書館で貸し出されているのも、多くは通常サイズだと思われます。写真で見ると、小型サイズの絵本の小ささが際立ちますね。
公式サイトでの表記 | サイズ | 大きさ比較 (通常サイズ基準) | 価格(税込み) |
通常の絵本 | 278×215mm | – | 1650円 |
小型絵本 | 168×132mm | 約0.6倍 | 990円 |
大型絵本 | 305×400mm | 約1.44倍 | 6380円 |
注意が必要なのは、公式サイトとAmazonや楽天などの大手オンラインショップでは、「小型絵本」や「大型絵本」の表記(サイズの扱い)が異なる点です。
例えばAmazonで「バムとケロ 絵本」などで検索をかけると、「小型絵本」が大量にヒットします。通常サイズの販売もありますが、通常サイズの表記が「大型本」になっているんです!
レビューでも「サイズを間違えて購入してしまった」という声が散見されました。
この記事でご紹介しているリンクは、小型絵本セットを除き、すべて「通常サイズ」を販売しているページに飛ぶようになっています。
ご購入の際は、絵本のサイズ表記だけでなく寸法、価格まで確認すると良いでしょう。
5冊のシリーズの順番
バムとケロの絵本シリーズは、2023年12月時点で5作目まで発表されています。
下記の表からも分かるように、5作目『バムとケロのもりのこや』の小型絵本はまだ出版されていないようです。(2023年12月19日)
シリーズ | 絵本のタイトル | 発行年 | サイズ | ||
小型 | 通常 | 大型 | |||
1 | 『バムとケロのにちようび』 | 1994 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 『バムとケロのそらのたび』 | 1995 | 〇 | 〇 | 〇 |
3 | 『バムとケロのさむいあさ』 | 1996 | 〇 | 〇 | 〇 |
4 | 『バムとケロのおかいもの』 | 1999 | 〇 | 〇 | 〇 |
5 | 『バムとケロのもりのこや』 | 2011 | × | 〇 | 〇 |
全巻揃えるのであれば、通常サイズで5冊揃えていくのが、統一感があって良いでしょう。
ここでは、シリーズ1作目である『バムとケロのにちようび』から5作目の『バムとケロのもりのこや』までの大まかなあらすじと感想、新作(6作目)の予定の有無まで扱っていきますね。
バムとケロのにちようび
シリーズ1作目である『バムとケロのにちようび』は、1994年9月に発行されました。
<あらすじ>
折角の日曜日なのに、外は雨。おうちでゆっくり過ごそうと、バムはケロちゃんが汚したお部屋の掃除を始めます。
ぐちゃぐちゃに散らかったお部屋を、水拭きまでしてきれいにしたバム。
そこにやって来たのは、お外遊びでどろどろになったケロちゃん・・・!
ケロちゃんのドロドロ具合が秀逸で、見ている分には楽しいですが、実際にされたら絶望してしまいそうです。
慌ててバムはケロちゃんをお風呂に入れて、お部屋も元通りピカピカにしました。ふたりは次に、おやつのドーナツを作り始めます。
このドーナツ作りは、バムケロシリーズの中でも特に人気があるシーンですね。山盛りのドーナツを一緒に食べたくなります!
ドーナツを作り終わったら、部屋にある本は皆読んでしまったので、読んだことのない本を屋根裏へと取りに行くことになります。
たどり着いた屋根裏部屋には、お目当ての本がありました。しかし、そこには本だけでなく恐ろしいネズミや虫も・・・
果たしてふたりは無事に本を手に入れて、優雅な休日をおくれるのでしょうか?
シリーズ1作目でありながら、不動の人気を誇る『バムとケロのにちようび』は是非絵本を開いて楽しんでみてほしいです!
バムとケロのそらのたび
シリーズ2作目の『バムとケロのそらのたび』は、1作目が刊行されてから約1年後の1995年10月に発売されました。
『バムとケロのそらのたび』では、バムとケロがおじいちゃんの家に行くために、飛行機作りに操縦に奮闘する様子が描かれています。
<あらすじ>
月曜日の朝、バムとケロのもとにバムのおじいちゃんからお手紙と組み立て式の飛行機が届きます。
せっせと飛行機を作るバムと、手伝っているのか遊んでいるのか分からないケロちゃんは、土曜日には飛行機を完成させることができました。
さっそうと家を飛び立ったふたりの前に現れたのは、「たまねぎさんみゃく」に「りんごやま」など、怪しくて危険なスポットばかり!
おじいちゃんの案内書きを読みながらも、しっかりトラブルに巻き込まれるふたりに笑いが止まりません。
果たして、バムとケロは無事におじいちゃんの家にたどり着けるのでしょうか?
続きは『バムとケロのそらのたび』で読んでみてくださいね。
バムとケロのさむいあさ
シリーズ3作目の『バムとケロのさむいあさ』(1996年12月)では、新しいキャラクターの「かいちゃん」が登場します。
表紙の左上に描かれている白いアヒルが「かいちゃん」ですね。
<あらすじ>
池が凍り付くほど冷たく冷えた火曜日、スケートとつりをしようと、バムとケロはウキウキでかけます。
そんなふたりが池ででくわしたのは、凍り付いて動けなくなってしまった1羽のアヒルでした!
バムとケロは凍り付いたアヒルを氷ごと池から切り離し、急いでおうちに連れて帰ります。アヒルの名前は「かいちゃん」といい、ケロちゃんはかいちゃんのことをすっかり気に入ってしまいました。
次々とおもちゃを持ってきて遊びだすケロちゃんと、されるがままのかいちゃん。たじたじなかいちゃんを見かねたバムと、最終的には3人で遊び始めます。
楽しいひと時もあっという間に過ぎ、次の日にはかいちゃんがバムとケロの家からいなくなっていました。
かいちゃんのことが大好きなケロはどうなってしまうのでしょうか?
最後まで笑える展開は、『バムとケロのさむいあさ』で見てみてください。
バムとケロのおかいもの
シリーズ4作目の『バムとケロのおかいもの』(1999年2月)では、バムとケロが月に一度の市場へのお買い物に出かけます。
『バムとケロのおかいもの』の一番の見どころは、なんといっても、今まであまり描かれてこなかったバムとケロの世界の住人の姿を垣間見られるところです。
<あらすじ>
水曜日の朝、バムとケロとかいちゃんは、車に乗って市場へと買い物に行きます。
たくさんの動物たちが、布地や野菜などのスタンダードな商品から、ちょっと変わった品物まで、様々なものを売りに出しています。
お買い物を楽しんだ3人は、屋台でお昼を食べて小休憩。
ケロちゃんだけ、ランチの量がおかしいんですよね。甲斐甲斐しいバムの姿が、段々ママのように見えてきます・・・。
最後に3人が立ち寄ったのは、お気に入りの骨董屋さん。ケロちゃんは古いフライパンが欲しくなってしまいますが、もうお金が残っていません。
あきらめるのか、駄々をこねるのか・・・、ケロちゃんがとった行動はもっと大人でした。
『バムとケロのおかいもの』は、見開きいっぱいに市場の様子が描きこまれており、何回読んでも「気付かなかった!」と思わせてくれる仕掛けが沢山あります。
小型絵本よりも、通常版(か大型絵本)ですみずみまで読んでほしい1冊ですね。
バムとケロのもりのこや
シリーズ5作目の『バムとケロのもりのこや』は、2011年1月に発売されました。
<あらすじ>
木曜日、キイチゴを摘みにいった森で、バムとケロは古い小屋を見つけます。
小屋を気に入ったバムとケロは、ふたりの秘密基地にしたいと思いますが、ベルもはしごも壊れかかっていて危険な状態です。
困ったふたりは、何でも屋の「ソレちゃん」に修理を頼むことに。
次の日の朝、ソレちゃんに手伝ってもらって小屋に入ったふたりは、くもの巣や埃で荒れ果てた部屋の惨状を目にしました。
バム(とケロちゃん)はお掃除、ソレちゃんは大工仕事に励み、小屋は見違えるようにきれいになります!
大工仕事を黙々とこなすソレちゃんが格好良いですね。しっかり者はバムだけの印象だったので、心強いです。
次の日、塗ったペンキが乾いたか確認しに行ったバムとケロ、ソレちゃんは、小屋で驚きの光景を目にします!
秘密の小屋は、ふたりの秘密基地にできるのか・・・?続きは『バムとケロのもりのこや』にてご覧ください。
新作の予定はいつ?
バムとケロシリーズの1作目から4作目は、1~3年おきに発表されていました。
5作目の『バムとケロのもりのこや』のみ、4作目の『バムとケロのおかいもの』が出版された1999年から、12年経った後に発行されています。
小さい頃せっせとバムとケロの絵本を揃えていましたが、中々5作目が出ないので、正直もう新作はないのかと諦めていたんですよね。大人になってから書店で見つけてびっくりしました!
作者の島田ゆかさんが、2001年からカナダに移住されたことも関係しているのかもしれませんね。
最新作である5作目の『バムとケロのもりのこや』(2011年)は、既に発表から12年が経過しています。(2023年12月18日時点)
4作目までのシリーズの発行の間隔が1~2年で、5作目が発表されたのが4作目の発表から12年後であることを踏まえると、そろそろ6作目が発表されても良いくらいには時間は経っています。
5作目から制作ペースが10年以上になったにしても、かなり間が空いていますよね。
今のところ新作の予定も発表されていないので、このまま空白期間が20年に近付いていくと、5作目で終わってしまう可能性が高そうです。
子どもの頃から何度も読んでいるシリーズなので、6作目の発行は期待したいところではあります・・・。
2024年はバムとケロのシリーズ1作目である『バムとケロのにちようび』が出版されてから30年の節目の年でもあるので、新しい情報が入ってくる可能性はゼロではないでしょう。
本日発売のMOE11月号は島田ゆかさんの絵本を大特集!
バムとケロ、ガラゴ、ぶーちゃんとおにいちゃん……絵本の片隅で繰り広げられるキャラクターたちの密かなエピソードもたっぷり紹介! 相関図には、今回新たに名前が判明したキャラクターも!https://t.co/Hy8w8XnvAL pic.twitter.com/Y2zCgoA4e2— 月刊MOE (@MOE_web) October 3, 2017
ガラゴの20周年は絵本雑誌MOEでお祝いされていたので、バムとケロも特集記事などが組まれる可能性に期待したいです。
バムとケロの絵本セット
最後に、これまでに発行されたバムとケロシリーズを一気に揃えられる「絵本セット」を3つご紹介します!
- バムとケロのなかまたち(既7巻セット)
- バムとケロの小型絵本ボックス
- その他のセット
3つ目の「その他のセット」は、文溪堂のオンラインショップ「ゆめたまご」でのみ販売されているセット商品です。
バムとケロの絵本は、前述したようにサイズが3種類展開されているので、ほしいサイズと違うものを購入しないように気を付けてくださいね。
バムとケロのなかまたち(既7巻セット)
まずご紹介するのは、通常サイズの絵本セット『バムとケロのなかまたち(既7巻セット)』(2011年)です。
バムとケロの絵本シリーズは、全部で5巻発表されています。
しかし、「バムとケロ 絵本セット(全5冊)」という商品は、「ゆめたまご」でしか販売されていません。
『バムとケロのなかまたち(既7巻セット)』の方は、Amazonや絵本ナビなどのその他のオンラインショップでも販売されています。
でも、バムとケロの絵本は5冊しか無いはずなのに、7冊セットはおかしいですよね?
『バムとケロのなかまたち(既7巻セット)』は、バムとケロの既刊5冊に加えて、『かばんうりのガラゴ』シリーズを2冊加えた、合計7冊のセットとなっています。
『かばんうりのガラゴ』は、旅するかばん屋のガラゴが主人公の絵本です。
ガラゴシリーズは、バムとケロに比べると知名度は劣りますが、ユニークな世界観や色遣いはバムとケロに通じるところがあります。
ガラゴの絵本については、以下の記事をチェックしてみてくださいね。
既に持っている絵本と被りがなければ、『バムとケロのなかまたち(既7巻セット)』でシリーズを揃えるのがお勧めです。
バムとケロの小型絵本ボックス
次にご紹介するのは、小型絵本のセット『バムとケロの小型絵本ボックス』です。(通常サイズの取り扱いはありません。)
セット商品の一番の魅力でもある専用ケースが「トランク」になっているのが素敵ですよね!
手のひらに収まる『バムとケロのにちようび』の豆本も入っており、遊び心をくすぐります。(豆本の付属が明記してあるのは「絵本ナビ」のネットショップのみです。)
『バムとケロの小型絵本ボックス』には、バムとケロの絵本のシリーズ1作目から4作目までの、合計4冊が収録されています。
一番新しい5作目の『バムとケロのもりのこや』は、セット内容に含まれていないんですよね。
そもそも『バムとケロのもりのこや』は、小型絵本が発行されていないので、バラで揃えることもできず、小型絵本で5冊コンプリートすることができません!
通常サイズの絵本セットと比べると、見ごたえのあるボックスに入っていてギフトにはピッタリのセットだと言えます。
既に通常サイズは全巻持っていて、旅行の際にも持っていきたいほど子どもが気に入っているときは、軽くて持ち運べる小型サイズは有難いですよね。
今後『バムとケロのもりのこや』の小型絵本が発行されることに、期待したいところです。
その他のセット
上記の2つのセットの他に、文溪堂のオンラインショップ「ゆめたまご」では、バムとケロの絵本5冊セット、レシピ本を入れた8冊セットも販売されています。
これらのセットは一緒に届くというだけ、で専用ケースや特典、割引は無いようです。
バムとケロのシリーズだけを5冊揃えたいという方には、「バムとケロ 絵本セット(全5冊)」がピッタリです!
価格は8,250円(税込み)と、バムとケロの通常サイズの絵本の1冊あたりの価格1,650円(税込み)×5冊の、丁度の値段になっていますね。
「【8冊セット】バムとケロとガラゴシリーズ [通常版] フルセット」は、通常サイズのバムとケロ、ガラゴの絵本全巻に『バムとケロのおいしい絵本』を加えたセットになっています。
『バムとケロのおいしい絵本』には、『バムとケロのにちようび』に登場するドーナツや、『バムとケロのそらのたび』で振舞われるごちそうなどの再現レシピが載っています。
レシピ本が気になる方は、以下の記事を見てみてくださいね。
まとめ
この記事では、バムとケロシリーズの絵本のシリーズの順番から各話のあらすじ、新作の予想までしていきました。
5作目の発表から10年以上たっても、根強く新作が望まれるのはすごいことですよね。
子どもの頃から大好きな絵本で、大人になった今でも絶対に手放せません!
バムとケロの絵本は、日曜日から始まって木曜日まで順番に続いているので、金曜日と土曜日の絵本が1冊ずつ発表されて、7冊で1週間がコンプリートされたら感慨深いですよね。
バムとケロの2024年のカレンダーについては、以下の記事でご案内しています。