1巻から読まなくても、内容は分かる?
2019年にムーミンバレーパークがオープンし、ますます注目を集めているムーミンですが、実は小説を読んだことはないという方は、意外と多いのではないでしょうか?
1巻から読もうと思っても、図書館で貸し出し中だったり、中々お話に入り込めずに続かなくなってしまうこともあります。
この記事では、ムーミンの小説をキャラクターや季節などに着目し、1巻から順番に読む以外の読み方をご紹介していきます!
1巻から順番に読んだ方が、お話の理解は深まりますが、気になる巻だけ読んでみたいという方は参考にしてみてくださいね。
1巻から順番に読みたい、全巻揃えたいという方は、小説セットを購入してみるのもお勧めです。
気になるキャラクターで選ぶ
ムーミンのキャラクターに惹かれた方は、好きなキャラクターが出てくるお話から読んでみるのも良いでしょう。
ムーミンやムーミンパパ、ムーミンママ、スナフキンにニョロニョロ、ちびのミイくらいまでは知っていても、お話を読んでいないと、ヘムレンやフィリフヨンカが誰だか分かりませんよね。
私も小説を全巻読むまでは、知らないキャラクターだらけでした。
ムーミンのキャラクターは非常に多く、小説には出てこないで、コミックスのみに登場するキャラクターまでいます。
その数は100を超え、「ムーミンキャラクター図鑑」が出版されるほどです。
とはいえ、主要なキャラクターはそこまで多くないので、構える必要はありません。
いきなり小説もコミックスも絵本も読むのは大変なので、まずは小説から手に取ってみるのが良いでしょう。
ムーミンの小説は全部で9巻あり、それぞれ出てくるキャラクターが異なります。
題名 | 登場人物 | |
1巻 | 『ムーミン谷の彗星』 | スナフキン、スニフ、じゃこうねずみ、スノーク、スノークのお嬢さんなど |
2巻 | 『たのしいムーミン一家』 | 飛行おに、トフスランとビフスラン、スノークのお嬢さん、ニョロニョロなど |
3巻 | 『ムーミンパパの思い出』 | ロッドユール、ヨクサル、フレドリクソン、ニブリング、ミムラ夫人など |
4巻 | 『ムーミン谷の夏まつり』 | エンマ、ちびのミイ、スナフキンなど |
5巻 | 『ムーミン谷の冬』 | トゥーティッキなど |
6巻 | 『ムーミン谷の仲間たち』 | ニンニ、ニョロニョロなど |
7巻 | 『ムーミンパパ海へいく』 | うみうま(はなうま)、モランなど |
8巻 | 『ムーミン谷の十一月』 | フィリフヨンカ、ミムラねえさん、ホムサなど |
9巻(別巻) | 『小さなトロールと大きな洪水』 |
ムーミンの小説では、物語を進める主人公となるキャラクターが、いつもムーミンだとは限らず、そもそもムーミン一家が出てこないお話まであります。
スナフキンが出てくるお話
まずは、ムーミンの親友、スナフキンが出てくるお話からご紹介します!
『ムーミン谷の彗星』
スナフキンは7巻と9巻以外の全ての巻に登場し、最初に出てくるのは1巻の『ムーミン谷の彗星』です。
ムーミンとスナフキンが初めて出会うシーンは必見なので、スナフキンが出てくる話は他にもありますが、まずは1巻から読んでみると良いでしょう。
ものを持つことに拘らないスナフキンの生き方が良く表れているお話で、物欲の強いスニフと比べて読んでみるのも面白いですよ。
『ムーミン谷の夏まつり』
4巻の『ムーミン谷の夏まつり』では、スナフキンが「あるもの」を許すことが出来ず、感情的になる姿や、大勢の子供たちに懐かれて困ってしまう姿など、珍しい一面が見られます。
スナフキンに対して、冷静で落ち着いているという印象を持っている方は、ビックリすること間違いなしです!
『ムーミン谷の仲間たち』
スナフキンの、クールだけれど優しいところが好きという方に読んでほしいのは、6巻の『ムーミン谷の仲間たち』に収録されている、「春のしらべ」と「世界でいちばん最後の竜」という2つの短編です。
どちらもスナフキンの思いやりに溢れたお話となっており、「世界でいちばん最後の竜」では、ムーミンとの深い友情が感じられます。
『ムーミン谷の十一月』
最終巻である8巻の『ムーミン谷の十一月』では、スナフキンがムーミンやしきで「ホムサ・トフト」やヘムレンさん、フィリフヨンカ達と共同生活を送る様子が書かれています。
スナフキンの出生が分かるお話
『ムーミンパパの思い出』では、スナフキンは殆ど出てきませんが、スナフキンの出生についての記述があるので、スナフキン好きの方はチェックしてみてくださいね。
ムーミンパパがメインのお話
ムーミンの小説の中でも、ムーミンパパが活躍するお話は多く、3巻の『ムーミンパパの思い出』と、7巻の『ムーミンパパ海へいく』の2冊は、ムーミンパパがメインのお話と言っても過言ではありません。
『ムーミンパパの思い出』
『ムーミンパパの思い出』では、題名の通り、ムーミンパパの過去が描かれます。
ムーミントロールが生まれてからは、ムーミンやしきで書き物をしている印象が強いムーミンパパですが、ムーミンママと出会う前は、発明家のフレドリクソンたちと共に冒険をしていました。
3巻はムーミンパパの回想がほとんどなので、3巻だけを読んでも話が分からないということもなく、安心です。
『ムーミンパパ海へいく』
7巻の『ムーミンパパ海へいく』では、ムーミンパパの提案で、ムーミン一家は灯台がある島に移住することになり、大変な思いをします。
7巻もムーミンパパの冒険好きが表れている巻ですが、ムーミン一家のムーミンやしきでの暮らしぶりを知ってから読んだ方が、ムーミン達のムーミン谷が恋しい気持ちに寄り添えるでしょう。
2巻の『たのしいムーミン一家』は、ムーミン谷で繰り広げられるお話なので、7巻の前に読んでおくと、ムーミン谷の良さが分かりますよ。
ムーミンママのお話
ムーミンパパがメインのお話が2冊もあるのに比べ、8巻以外の全てのお話に登場しているにもかかわらず、ムーミンママはあまり前に出てくるお話がありません。
それぞれのお話の中で、そっと皆を包み込むように見守っていることが多いです。
おおらかで優しい性格のムーミンママですが、『ムーミンパパ海へいく』では、ムーミン谷を離れてホームシックにかかってしまいます。
ムーミンママが灯台の壁に描いたお花は、ムーミンバレーパークの灯台にもしっかりと描かれています。
ちびのミイが出てくるお話
小さくて可愛らしい見た目に反し、毒舌を吐くちびのミイ(リトルミイ)が初めて登場するのが、4巻の『ムーミン谷の夏まつり』です。
4巻は洪水によってキャラクターが離れ離れになってしまい、別行動が多いので、最初に読むお話としては戸惑うかもしれません。
ちびのミイが出てくる巻が早く読みたいという方は、出来れば2巻の『たのしいムーミン一家』で、ムーミンの仲間たちに親しんでから読んでみることをお勧めします。
続く5巻の『ムーミン谷の冬』では、皆が寝静まっている中、ちびのミイがムーミンに続いて目を覚まし、ムーミン谷の冬を満喫する様子が描かれています。
ニョロニョロのお話
集団でうごめく姿が怖くもあり、ちょっと愉快でもあるニョロニョロは、ムーミンで、一番ミステリアスなキャラクターではないでしょうか?
ムーミンの小説を読んでも、ニョロニョロの謎がどんどん解き明かされることはないのですが、『ムーミン谷の夏まつり』では、ニョロニョロのある秘密が明かされます!
6巻の『ムーミン谷の仲間たち』に収録されている「ニョロニョロのひみつ」では、ムーミンパパがニョロニョロと一緒に海に出て、その生活を垣間見ました。
おしゃまさん(トゥーティッキ)のお話
ニット帽としましまのセーターがトレードマークのトゥーティッキは、『ムーミン谷の冬』以外の作品にはほぼ出てきませんが、読者から人気を集めています。
グッズの種類が豊富な上、ムーミンバレーパークでトゥーティッキをイメージしたメニューが作られるなど、ファンが多いキャラクターの1人です。
トゥーティッキは、5巻の『ムーミン谷の冬』で、冬眠中に目が覚めてしまったムーミンの話し相手をしてくれます。
『ムーミン谷の冬』は、いつもの賑やかなムーミン谷とは違う、静かな冬の世界でお話が展開されます。
主要キャラクターのほとんどが冬眠しているため、トゥーティッキ以外のキャラクターにも興味があるという方は、1巻か2巻から読むのが良いでしょう。
ニンニのお話
ムーミンバレーパークのショー、「勇気を知った少女~ムーミン谷の仲間たちより~」にも登場するニンニは、姿が見えない女の子です。
ニンニは6巻の『ムーミン谷の仲間たち』の中の短編、「目に見えない子」に登場します。
トゥーティッキがムーミンやしきに連れてきた少女で、いじわるなおばさんのせいで身体が透明になってしまっていました。
ムーミンやしきでは、目に見えない少女との奇妙な生活が始まりますが、あるきっかけで事態は変わります。
6巻は短編集なので、長編を読むのが苦手な方にお勧めですが、ムーミンの仲間たちのことをある程度知ってから読んだ方が、お話についていけるので、最初に読むお話としては不向きです。
5巻まで読まなくても大丈夫ですが、『ムーミン谷の彗星』や『たのしいムーミン一家』でムーミンの仲間たちを知ってから読んでほしい1冊です。
モランのお話
ムーミンキャラクターの中でも、怖そうな見た目でひときわ目立っているのが「モラン」でしょう。
モランはムーミン谷の仲間からも恐れられており、歩いた後には霜が降りるなど、強力な冷気を帯びています。
ムーミン谷の住人との交流はほぼありませんが、7巻の『ムーミンパパ海へいく』では、ムーミントロールと交流する様子が書かれています。
何とも言えない不気味さを持つモランですが、歌って踊りだすなどユーモラスなところもあるので、モランが気になった方は7巻を読んでみてくださいね。
季節に合わせてお話を読む
ムーミンのお話には季節が深く関係しており、ムーミン達の生活には季節感があふれています。
季節 | 題名 | |
春 | 2巻 | 『たのしいムーミン一家』 |
夏 | 4巻 | 『ムーミン谷の夏まつり』 |
秋 | 8巻 | 『ムーミン谷の十一月』 |
冬 | 5巻、6巻 | 『ムーミン谷の冬』、「もみの木」(『ムーミン谷の仲間たち』収録) |
ムーミン達にとって、冬眠している期間である冬は未知の世界であり、『ムーミン谷の冬』は、冬眠から目覚めたムーミンが初めて冬を体験するお話です。
6巻の『ムーミン谷の仲間たち』の短編、「もみの木」では、クリスマスが何だか分からないムーミン達が、翻弄される様子が描かれています。
クリスマスに怯えるムーミン達のイラストがとてもかわいらしいので、是非手に取って見てみてくださいね。
厳しい冬が終わり、春になったところから始まるお話が、2巻の『たのしいムーミン一家』です。
暖かくなってくると気分が高揚してくる方は、2巻を読んでムーミンの仲間たちと気持ちを共有するのも楽しいでしょう。
季節に沿って読む、おすすめの読み方は、春になる前のまだ寒いうちに1巻を読み始め、春に2巻、3巻を読んだ後、夏に4巻を読み進め、秋に8巻を先に読んでしまい、冬が来たら5巻、6巻を読む方法です。
7巻はどのタイミングで読んでも良いでしょう。
4巻まで読んで、全部読めそうだと思った方は、そのまま5巻に進んで、順番通りに読む方が、内容は分かりやすいです。
まとめ
この記事では、1巻から順番に読まない、ムーミンの小説の読み方をご紹介しました!
王道の読み方は1巻から読んでいく方法なので、余裕がある方は全巻順番に読んでみましょう。
ムーミンバレーパークやグッズを通じて、ムーミンに興味が湧いたけれど、いきなり全巻読むのは大変という方は、キャラクターや季節に合わせたお話を読んでみてくださいね。